衛生看護科閉科式生徒代表挨拶

衛生看護科閉科式生徒代表挨拶

私が、この看護科に入ろうと思ったのは、祖父母の入退院の時に見た看護婦さんの姿にあります。病院で見かける看護婦さんの優しく患者さんに接する姿や、テキパキと仕事をされる姿、そしてその時の明るい笑顔・・・そのような様子を見て私は、看護婦という職業に憧れ、この道を志すようになりました。
こうして看護科に入学したのですが、まず驚いたことは、覚えることの多さでした。人の命に関わる職業なのですから当然ですが、身体の働きや、骨・筋肉の名前など、その多さには圧倒されました。しかし、ゼロからの出発は、みんな同じで、自分一人ではないのだと思い、頑張りました。また、学校での実習は、初めてのことばかりで、知り合ったばかりの友達と共に行うことも多く、恥ずかしくて、ぎこちない手つきになることもありました。簡単な動作一つにしても緊張のあまり失敗してしまったり、何回行っても覚えられなかったりと、このことを病院実習で行うのかと思うと恐さで身が震えました。
そんな中で迎えた戴帽式。真新しいナースキャップを一人一人つけていただき、一生懸命に斉唱したナイチンゲール誓詞。いい看護婦さんになろうと気持ちを新たにしたと同時に、これから始まる病院実習への不安で一杯でした。
この病院実習が、私の三年間の思い出の中で、一番印象深いものです。その中でも特に印象に残っているのは、出産に立ち会わせていただいたことです。新しい生命の誕生にとても感動し、普通の高校生ではできないような体験ができたことを、すごく嬉しく思いました。また、患者さんを受け持たせていただき、看護計画の立案から評価まで行わせていただきました。
時には自分がどうしたら良いか分からず、実習へ行くのも嫌で嫌でたまらなかったこともありました。でも、ほんの些細なことなのに患者さんには心から感謝され、毎回行く度にとても喜ばれ、少しずつでも元気になっていく患者さんに出会えたことで、自分が励まされていくのを感じていました。
看護婦は、大変な仕事だと思いましたが、たくさんの人と関わりが持て、とてもやりがいのある職業だと痛感しました。私は、患者さんに勇気を与えることができ、心の支えとなれる看護婦になりたいと強く思うようになりました。
高校三年間は今思えば、本当にあっという間で、時にはクラス内で意見が合わないこともありましたが、それは仲が良い証拠だと今では思われます。いろいろなことが相談でき、親身になって一緒に悩んでくれる友人も多く、また、行事になると一致団結してがんばる合唱コンクールの時など、強い団結力を見せてくれる、そんなクラスが、私は大好きでした。
三年間、みんなと一緒に看護を学び、そして、最後の衛生看護科の生徒として、この伝統ある富山県立新川女子高等学校を卒業できることを、とても誇りに思っています。
三年間、先生方をはじめ、病院実習でご指導いただいた方々には大変お世話になりました。何一つ分からなかった私達が、一つ一つを乗り越え、ここまで成長する事ができたのは、皆様の力があったからこそです。今から私達は、自分の夢を実現する為、それぞれの道に進みます。まだまだ心細い歩みですが、これからも見守っていただき、時には後ろから支えていただきますようお願いします。
今まで本当にありがとうございました。

 
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