閉校式式辞

新川女子高校 閉校式式辞

中川校長(当時)

新たな命を育む春をあちこちに感じる今日、新川地域における女子教育の拠点として、長い伝統を築いてまいりました富山県立新川女子高等学校の閉校の時を迎えています。 本日の閉校式を挙行するに当たり、ご多用の中をご臨席賜りました来賓各位に厚くお礼申し上げます。また、ご参列いただきました同窓会の皆様、保護者の皆様にも心からお礼申し上げます。

思い返しますと、新川地域の要望に応えて女子教育の拠点として新川女子高校が新設され、魚津高校を仮校舎として発足しましたのは、昭和42年2月28日のことでした。

同年4月には家政科3学級の学校として開校式や入学式が行われ、翌昭和43年10月に風光明媚なここ片貝野の地に現校舎の一部が竣工しました。校舎も現在の形となり、学科改編を経ながら、今日まで5,469名の卒業生を世に送り出してまいりました。

創設の教育目標は、豊かな知性と情操を培い、勤労と責任を重んじる、心身ともに健康な女性の育成をめざしていました。その目標達成のため設定された私たちのねがい、「広い視野に立とう」「豊かな心を養おう」「美しい善意を生かそう」「すこやかな体に鍛えよう」は各教室に掲げられ、代々の生徒に受け継がれてまいりました。

新川地域一円の中学校から優秀な女子生徒を向かえ、新たな理想をめざして、特色ある教育活動への取組が行われました。数々の資格取得への挑戦もなされました。
地域の皆様方に温かく見守られ、生徒は緑なすこの地に豊かな才能の花を開き、自主的精神と創造的活力に満ちた女性として社会の荒波の中に旅立っていきました。
その他、全国大会への出場を果たした活発な部活動、長年に及ぶ里孫や地域環境美化など全国表彰された様々な活動も多く、枚挙にいとま在りません。

しかしながら、変化の激しい今日の社会では価値観は変容し、世の趨勢は男女共同参画社会への推進へと向かっています。これまで県内4地区に設置されていた女子高校は、今年度の富山いずみ高校の開設により、男女共学校へと変身を遂げました。

女子高校としての生を終わろうとしている今、伝統の力は幅広く力強いものであることに思いを馳せています。一つの伝統の終息は終わりではなく、より広く、一層の深みを得て波及していく。生を終えた大木の使命は、次の世代に生を引き継ぎ、繁栄させていくためと考えています。

新川女子高校として建設されたこの学舎は、「古い伝統にとらわれず、格調高い明るい学園を」として、多くの卒業生や歴代の教職員、保護者の方々の思いやりに包まれて、使い込まれた風韻を滲ませながらも、創設時の姿を良く保っています。この校舎は今後もこの地に根を下ろし、生涯学習校である新川みどり野高校として、「学びたい者は誰でも学べる」新川地域の生涯学習の拠点としての地位を不動のものとしてまいります。

輝かしい成果を築いてきた様々な生徒会活動は、新川みどり野高校生に引き継がれてまいります。この2年間両校の生徒が共に過ごし、お互いを思いやる中で、伝統の継承にふさわしい雰囲気が醸成されて来たと感じています。

36年の長きにわたる関係の皆様方のご支援やご協力により、つつがなく本日を迎えることができましたことに、心からお礼申し上げますとともに、皆様方の益々のご活躍をご祈念いたしております。

併せて、新川女子高校の後進である新川みどり野高校へも変わらぬ温かいご愛顧をいただけますようお願い申し上げまして、本日の式辞といたします。

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